
7つのステップで解説するプロモーション戦略の立て方と5つの手法
プロモーション戦略とは、マーケティングにおける販売促進活動のことを指します。複数の施策を通して顧客による自社製品の購入・利用を促すことを目的としており、企業が成長を続けていくうえで欠かせない取り組みです。
プロモーションにはさまざまな戦略の立て方や手法があり、目的やターゲットに合わせてそれらを選択することが大切です。
企業の成長を支えるプロモーションの効果をより高めるには、各手法の特徴を理解することと戦略的な手法の構築が求められます。本記事では、基本的なプロモーション戦略の立て方と主な手法を紹介します。
目次[非表示]
- 1.プロモーション戦略の立て方
- 1.1.STEP①目標の設定
- 1.2.STEP②ターゲットの設定
- 1.3.STEP③予算の設定
- 1.4.STEP④価値の設定
- 1.5.STEP⑤手法の選択
- 1.6.STEP⑥スケジュールの設定
- 1.7.STEP⑦効果測定
- 2.5つのプロモーション手法
- 2.1.①広告
- 2.2.②SNS
- 2.3.③広報(PR)
- 2.4.④人的販売
- 2.5.⑤セールスプロモーション
- 3.まとめ
プロモーション戦略の立て方
プロモーションの目的は“認知度の拡大”と“動機づけ”です。
自社の商品・サービスを顧客ターゲットに広め、購買意欲を高めてもらうためのプロモーション戦略は、以下のステップにより構築します。
STEP①目標の設定
はじめに、プロモーション戦略の目標とゴールを決めます。この際、自社の状況を分析して具体的な課題を抽出しておくことで、達成したいゴールを決めやすくなります。
仮に新規契約の獲得に悩んでいる場合、「〇人の問合わせを得る」「見込み顧客〇件から△件の契約を獲得する」などの具体的な目標を設定します。
目標とゴールを事前に設定しておくことで、プロモーション施策の継続を判断する基準にできるため、必要以上に予算がかかることを防ぐ効果も期待できます。
STEP②ターゲットの設定
次に、プロモーション戦略で狙う顧客ターゲットを設定します。具体化したほうがよいターゲットの属性は以下のとおりです。
▼ターゲット設定の例
- 年齢層
- 性別
- 購買傾向(オンライン・オフライン)
- ニーズの種類(潜在・顕在)
- 行動パターン
- 接触するメディア
これらの属性を具体的に決めてペルソナを設定することで、プロモーション手法を検討する際に役立てられます。
STEP③予算の設定
ターゲットを設定したあとは予算を決めます。ここで設定する予算は、プロモーションの手法を決定する際の検討材料となります。
SNSや口コミを利用したプロモーション手法のほか、大規模なイベントの開催、Web広告の活用など、プロモーションの幅を広げられます。
STEP④価値の設定
このステップでは、ターゲットとなる顧客に対し、プロモーション戦略でアピールする価値を設定します。
▼価値設定の例
- 価格が商品・サービスと合っているか
- 商品・サービスの使いやすさ
- アクセスのしやすさ
自社の商品・サービスが顧客ターゲットのどのような課題を解決するか、どのようなメリットがあるか、競合他社にはない強みなどを決めましょう。その際は、提供価値が顧客ターゲットのニーズとかけ離れていないかを確認することも大切です。
STEP⑤手法の選択
ステップ⑤では、効果を発揮するプロモーションの手法を選択します。予算を超えてプロモーション手法を選択した場合、費用対効果が減ってしまうことがあるため注意が必要です。ステップ①から④で設定したゴールやターゲットを踏まえ、予算の範囲内で費用対効果を考慮しながら手法を選択しましょう。詳しい手法は後半で解説します。
STEP⑥スケジュールの設定
プロモーション戦略は複数の人間が関わるため、「いつまでに何をするか」というスケジュールを明確にしておく必要があります。
あらかじめ個々に仕事を割り振ることで、それぞれが決められた業務に集中できます。事前に忙しくなりそうな時期を把握しておくことで、工数の調整も行いやすくなります。
STEP⑦効果測定
プロモーション戦略を実践した結果、ステップ①で抽出した自社の課題がどのように改善されたかをデータを基に振り返ります。
その際、改善点を抽出して次の施策へ反映させることも忘れてはいけません。効果測定と施策への反映をくり返し行うことで、プロモーション戦略の精度を高められます。
5つのプロモーション手法
プロモーションを実施する際には、7つのステップに沿って戦略を立てることはもちろんのこと、適切な手法を選択することも重要です。
以下の項目で紹介する5つの手法は、それぞれ目的や効果が異なります。自社の商品・サービス、ターゲットに適したプロモーション手法を選択しましょう。
①広告
代表的なプロモーション手法といえる広告は、商品・サービスの利用促進を目的に有料媒体で行う告知活動を指します。
▼広告によるプロモーション手法の例
- テレビCMの放送
- チラシやポスターの制作
- Web広告の掲載
このうち、特に成長が著しいのがWeb広告です。内閣官房デジタル市場競争本部事務局『デジタル広告市場の競争評価 最終報告 概要』によれば、2019年にデジタル広告費が2兆円を超え、テレビメディア広告費を初めて追い抜きました。
2020年には、日本の広告費全体の総額約6.2兆円のうち、約2.2兆円をデジタル広告費が占めています。
Web広告は、テレビCMのマス広告とは違い、不特定多数にアピールするか、特定のキーワードで検索したユーザーのみを狙うかを選択できます。自社の商品・サービスの特性やターゲットに合わせて広告の種類や掲載方法を検討しましょう。
出典:内閣官房デジタル市場競争本部事務局『デジタル広告市場の競争評価 最終報告 概要』
②SNS
自社の商品・サービスに興味があるユーザーと双方向のコミュニケーションが取れるSNSの活用は、プロモーション戦略において有効な手法の一つです。
画像出典:総務省『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』
総務省『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』によると、以下のような特徴が読み取れます。
▼各種SNSの特徴
- 10~20代の6割以上がTwitterやInstagramを利用している
- 20~30代の3割以上がFacebookを利用している
- 10~60代の7割以上がLINEを利用している
▼SNSによるプロモーション例
- Twitterで特定の投稿をリツイートする
- TwitterやInstagramでハッシュタグをつけて投稿する
各種SNSの特徴を理解したうえで、自社ターゲットの目に留まりやすいプラットフォームを活用しましょう。
出典:総務省『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』
③広報(PR)
プロモーションにおいては、商品・サービスのポジティブなイメージを形成することも欠かせません。
▼広報によるプロモーションの例
- プレスリリースの配信
- イベントのスポンサーとして支援
広報は、クライアントやメディア、顧客など、企業を取り巻くさまざまな相手との良好な関係を構築するための手法です。また、企業の価値を高めることで、相対的に提供する商品・サービスの価値が高まる効果が期待できます。
④人的販売
見込み顧客、既存顧客、新規顧客に対して直接的なコミュニケーションを取ることができる人的販売もプロモーション手法の一つです。一人ひとりとの関係性を個別で強化する働きが期待できるため、商品・サービスへの理解度を深めることによる購買意欲の促進が期待できます。
▼人的販売によるプロモーションの例
- 店頭での接客
- ダイレクトメール(以下、DM)の送付
- テレフォンアポイントメントによる対応
企業と顧客で明確な接点を創出できる人的販売は、オンラインで何でも購入できる現代社会においても不可欠な施策です。
⑤セールスプロモーション
認知度の拡大をメインの目的とする広告掲載とは異なり、セールスプロモーションは直接的に商品・サービスを体感してもらい、購入につなげることを目的にした手法です。
▼セールスプロモーションの例
- イベントを開催して実際に体験してもらう
- サンプルを無料配布して体験してもらう
注目を集めて認知度の拡大につなげられるだけではなく、実際に体験してもらうことで自社の商品・サービスへの理解を深めてもらうことも期待できます。
セールスプロモーションに関する詳しい説明については、以下の記事も参考にしてみてください。
▶セールスプロモーションは顧客獲得の第一歩! サービスに適したアプローチ方法とは
まとめ
プロモーションは一朝一夕で成功できるものではなく、自社の商品・サービスに適した手法を選ばなければ効果が見込めないこともあるでしょう。
プロモーションの効果を高めて成功させるためには、自社の目的を明確にしたうえで複数の手法を組み合わせることがポイントです。
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