囲い込み戦略で顧客のファン化を実現! 継続利用されるサービスのコツとは
動画や音楽・雑誌・漫画・車など、さまざまなサービスが定額制で利用できるビジネスモデル『サブスクリプション』。
定額制で気軽にサービスが利用できる一方、解約もすぐにできてしまうという課題があります。そこで、既存顧客の流出を防ぐ解約防止策として挙げられるのが“囲い込み戦略”です。
本記事では、囲い込み戦略のメリットや重要性、方法について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.囲い込み戦略とは
- 2.既存顧客を維持する重要性
- 2.1.①1:5の法則
- 2.2.②5:25の法則
- 2.3.③80:20の法則(パレートの法則)
- 3.囲い込み戦略を行うメリット
- 3.1.【メリット1】継続的な収益確保
- 3.2.【メリット2】顧客獲得のコスト削減
- 3.3.【メリット3】顧客データの獲得・蓄積
- 4.囲い込み戦略の具体例
- 4.1.①セット利用による割引
- 4.2.②ポイントシステム・クーポン発行
- 4.3.③会員限定のイベント・特典
- 5.まとめ
囲い込み戦略とは
囲い込み戦略とは、既存顧客の流出を防止するマーケティング戦略です。
企業経営は顧客が長く商品・サービスを利用し続けることで安定します。既存顧客との関係性を維持しつつ、新規顧客を獲得できれば、利益の向上へとつながります。
特にサブスクリプションのような会員制ビジネスモデルは「ユーザーが簡単に解約しやすい」という課題があるため、それを防ぐ囲い込み戦略は非常に重要な取組みです。
既存顧客を維持する重要性
ここからは、囲い込み戦略により既存顧客を維持する重要性を3つの法則から紹介します。
①1:5の法則
『1:5の法則』とは、新規顧客を獲得するコストは既存顧客の維持に必要なコストの5倍かかるという法則です。
新規顧客は、商品やサービスの広告・イベント・キャンペーンなどにかける膨大なコストが発生し、利益率が低いのが特徴です。
一方、既存顧客はすでに商品やサービスの提供を受けているため、低コストで販売できます。現在コストでお悩みなら1:5の法則に照らし合わせてコスト配分を検討してもよいでしょう。
②5:25の法則
『5:25の法則』とは、顧客離れを5%改善すれば利益率が最低でも25%改善されるという法則です。
既存顧客はすでに商品やサービスを購入しているため、低コストでリピートしやすい状況です。さらに新規顧客をご紹介いただける、以前よりも高い商品を購入する、高額プランへの移行するなどのよい効果を生み出します。
5:25の法則は顧客離れを改善するための取組みを通して、結果的に利益の増加につなげるという考え方で成り立っています。既存対応・新規獲得のバランスを見ながら、計画的に施策を実行していくことが重要です。
③80:20の法則(パレートの法則)
『80:20の法則』とは、全体のうち大部分は全体を構成する一部の要素が生み出しているという法則です。
具体的には、すべての顧客を同じように扱うのではなく、20%の優良顧客を差別化することで、全体の80%の売り上げを確保できるとされています。80:20の法則では、さまざまな事象が経験則で導き出されています。
▼80:20の法則の具体的な例
- 売り上げの80%は20%の顧客が生み出している
- ソフトウェア利用者の80%は20%の機能しか使っていない
- Webサイト訪問者の80%は20%のページにしかアクセスしていない
パレートの法則に従えば、売り上げを生み出している20%に該当する顧客の流出は大きな損失につながるため、注意が必要です。
囲い込み戦略を行うメリット
顧客の継続利用が重要な課題であるサブスクリプション事業者は、顧客の流出を防止して自社との関係を維持するための取組みが不可欠です。そして、その取組みがどういったメリットをもたらすのか、把握しておく必要があります。
【メリット1】継続的な収益確保
囲い込み戦略は既存顧客の流出を防止するため、継続的な収益確保が期待できます。
さらに他社との差別化を図り顧客満足度を向上できれば、商品やサービスの継続購入に加えて、複数の商品購入、利用プランのグレードアップなどで利益向上も見込めます。
【メリット2】顧客獲得のコスト削減
1:5の法則で説明したとおり、新規顧客の獲得には膨大なコストが必要です。
囲い込み戦略では、コストを抑えつつも利益を生み出す既存顧客に注力するため、高い費用対効果が期待できます。
既存顧客のサービスを充実させればリピート率が向上するほか、口コミや紹介で新規顧客を獲得できるといった好循環をもたらします。
【メリット3】顧客データの獲得・蓄積
囲い込み戦略を行うと、自社の顧客データを獲得・蓄積できます。
顧客データは、新サービス構築や改善、料金の見直しなどの顧客ロイヤリティ向上へつながる重要な情報資産です。蓄積していくことでより精度の高い分析が可能になり、今後の運営や事業拡大、他社との差別化に役立ちます。
囲い込み戦略の具体例
ここからは囲い込み戦略の具体例を3つ紹介します。
「どうすれば囲い込み戦略を行えるのか分からない」「どのような方法が囲い込み戦略になるのか分からない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
①セット利用による割引
サブスクリプションサービスでは、複数サービスをセットにしてお得感を演出するのも一つの方法です。
複数の商品・サービスをセットで利用することで割引が得られるとアピールすれば、契約に対する心理的ハードルを下げられます。
▼セット割引の具体的な例
- 洋服をレンタルできるサービスに付随して、一定期間レンタルし続けると自分の洋服になるプランなど
- 月額会費を支払うことで特定の飲み物が無料で飲めるだけではなく、指定された飲み物が安くなるプランなど
関連性の高いサービスや商品をセットにすると、よりお得に感じてもらえます。
②ポイントシステム・クーポン発行
利用し続けることにメリットを設けるポイントシステムは、囲い込み戦略の代表的な手法です。
従来はカードでポイントを貯める仕組みが一般的でしたが、最近はアプリへ移行してより便利になっています。契約金額に応じてポイントを付与し、利用期間に応じて割引率をアップしたり、クーポンを発行したりすることでリピート利用を促進します。
▼ポイントシステム・クーポンの具体的な例
- 購入金額に応じて次回利用できるクーポンを発行
- 継続利用に応じてポイント還元率をアップ
ポイントシステムやアプリの利用に会員登録を義務付ければ、顧客データを取得できます。
③会員限定のイベント・特典
既存顧客のみを対象とした施策も囲い込み戦略の一つです。
会員限定のイベントや特典で非会員と差をつけて手厚いサービスを提供すれば、リピート率の向上だけでなく、口コミ・紹介による新規顧客の獲得が期待できます。
▼会員限定のイベント・特典の具体的な例
- 会員のみ参加できるイベントを開催
- 契約プランのグレードに応じて特典をプレゼント
会員のみ参加できる特典や契約プランをグレードアップすることで、顧客が得られるメリットを明確にして差別化を図るのがポイントです。
まとめ
新規顧客の獲得は重要ですが、利益の多くは既存顧客によって生み出されているということを忘れてはいけません。サブスクリプションサービスの場合、いかに会員の解約を防止して継続利用を促せるかが大きな課題となります。
競合他社と差別化を図り、事業を継続させていくためには顧客との関係性を維持し続けることが不可欠。囲い込み戦略は、既存顧客の流出を防止して経営の安定化や利益向上が期待できます。
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