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ショールーミングとは? 実施するメリットやリテールテイメントと掛け合わせた事例を解説

オンラインで買い物をすることが当たり前となった現代社会では、顧客ニーズに応える方法として多くのD2C事業者が“ショールーミング”に関心を寄せています。

ショールーミングは消費者がリアル店舗で商品を確認し、価格が安いオンラインショップで比較・検討して購入するという特性から非価格競争を減退させているとの指摘がありました。

しかし、価格面だけではなく、実際に商品に触れられるというメリットがあることから、近年では海外のD2C事業者をはじめ、国内の百貨店やショッピングセンターなどでもショールーミング型のビジネスモデルが浸透し始めています。

本記事では、ショールーミングの基本概要、海外の事例、メリットを分かりやすく解説します。自社の販売戦略にショールーミングを取り入れたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。


目次[非表示]

  1. 1.ショールーミングとは
    1. 1.1.出店者目線のショールーミング
    2. 1.2.消費者目線のショールーミング
  2. 2.リテールテイメント × ショールーミングの事例
    1. 2.1.D2Cブランドのみを集めたデパートの事例
    2. 2.2.複数のショールームを設置した眼鏡店の事例
  3. 3.ショールーミングのメリット
    1. 3.1.過剰在庫の削減
    2. 3.2.店舗スタッフの省人化
    3. 3.3.顧客のロイヤリティ醸成
    4. 3.4.顧客の声を収集できる
  4. 4.まとめ


ショールーミングとは

ショールーミング(showrooming)とは、リアル店舗で実際に商品を見て体験し、確認した後にオンラインで購入する消費者の行動を指します。はじめに、出店者と消費者それぞれの立場でショールーミングを解説します。


出店者目線のショールーミング

出店者目線のショールーミングとは、リアル店舗で商品やサービスを体験してもらいオンラインでの購入を促すことです。

公正取引委員会の『消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書』によると、小売業者848名、メーカー360名を対象にしたアンケート調査において、自社サイトとオンラインモールの両方でオンライン販売を行う小売業者の67%がショールーミング現象が「頻繁にある」または「たまにある」と回答。実店舗のみの小売業者の44%がショールーミング現象が「頻繁にある」または「たまにある」と回答しています。

そのうち、ショールーミング現象への対応を行っていると回答した小売業者は、「実体験を楽しんでもらえる売り場づくりの工夫やリアル店舗とオンラインの販売価格を近づけるなどの努力をしている」と回答しています。

ショールーミングは、単にオンラインへの購入を促すだけではなく、顧客ターゲットのニーズをくみ取ったリテールテイメントの要素を併せ持つビジネスモデルであるといえます。


消費者目線のショールーミング

消費者目線のショールーミングとは、リアル店舗で実際に商品を確認・体験した後にオンラインで安く購入することです。

前述の『消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書』によると、アンケート対象となった一般消費者2,000名のうち、「過去にショールーミングを行った経験がある」と回答した消費者は47%と半数に迫ります。

この結果から、「実際に商品を手に取って確かめてから購入したい」という消費者のニーズが大きいことが分かります。

出典:公正取引委員会『消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書



リテールテイメント × ショールーミングの事例

リテールテイメントとは、購買体験にエンターテイメント要素を取り入れ、リアル店舗でしか体験できない経験を顧客に提供することです。

店舗でしか体験できない価値を提供することにより消費者の購買意欲を掻き立て、LTV(Life Time Value:ライフ・タイム・バリュー)の最大化などを目指せます。ここからは、リテールテイメントとショールーミングを組み合わせた海外の事例を紹介します。


D2Cブランドのみを集めたデパートの事例

2018年にニューヨークでオープンしたデパートでは、リアル店舗を持たないD2Cブランドやアート作品のみを集め、それぞれの世界観を体験できるスペースを展開しました。

リアル店舗に置いてある商品はオンラインで購入できるのはもちろん、思わずシェアしたくなるような魅力的な構造にすることで拡散を誘発。来客した顧客からの口コミや情報発信を目指す取り組みを実施しています。


複数のショールームを設置した眼鏡店の事例

2010年にアメリカで創業した眼鏡店では、当初D2Cブランドとしてオンラインストアのみで販売するというビジネスモデルを採用していました。そこからショールーミング型のリアル店舗を立ちあげ、人気に火を付けました。

また、5つのフレームを自宅で試着できるというサービスでは、SNSでのシェアを促進する仕組みを実施。そのほか、追加料金を支払えば24時間以内に商品が届くなど、顧客満足度を高めながら事業を成長させるさまざまな取り組みを行っています。



ショールーミングのメリット

ここからは、リアル店舗でのショールーミングにどのようなメリットがあるのかを出店者の目線で紹介します。


過剰在庫の削減

物流と販売が分かれているショールーミングでは、商品をリアル店舗へ置いておく必要がありません。

そのため、過剰な在庫負担を抑制します。在庫を保管する場所や在庫管理にかかる手間を減らせることがメリットです。


店舗スタッフの省人化

リアル店舗で商品を販売する際は、接客、発注、仕入れ、検品、在庫管理などのさまざまな業務が発生します。

しかし、ショールーミングであれば、接客以外の業務を担う人員数を減らすことが可能です。


顧客のロイヤリティ醸成

ショールーミングでは、消費者が商品をオンラインで注文するため、リアル店舗で購入したときのように手荷物を持ち帰る必要がありません。

商品の購入や梱包などの対応が必要ないぶん、スタッフが接客に費やす時間を増やせます。余裕を持った対応が可能になり、顧客のロイヤリティを高められるというメリットが期待できます。


顧客の声を収集できる

リアル店舗で実際に商品に触れたり、体験したりできるショールーミングでは、顧客の声を直接収集できるというメリットがあります。

顧客の生の声を収集することで、テストマーケティング(※1)や今後の商品開発につながるヒントを見つけることが可能です。

※1…テストマーケティングとは、新商品や新サービスを本格的に展開する前に、限られたエリアや期間で試験的に提供すること


テストマーケティングについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

▶『テストマーケティングとは? オンライン・オフラインの手法と実施場所の特徴』



まとめ

ショールーミングは、消費者が直接自分の目で商品を確認・体験してからオンラインで購入します。出店者は、リアル店舗ならではの顧客体験とオンラインの利便性を同時に提供できます。

さまざまなメリットが期待できるショールーミングを自社の販売戦略に取り入れたいと考えている方は、三越伊勢丹グループ店舗でイベントを開催できるイベントマッチングプラットフォームサービス『イベマチ』の利用をぜひ検討してみてください。


イベマチは三越伊勢丹グループ店舗をつなぐイベントマッチングプラットフォーム

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