開催前の課題 |
レッドオーシャンの市場で、競合他社との差別化に難しさを感じていた |
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開催の決め手 | 「三越伊勢丹で実現したい」という強い希望と「イベマチなら実現できる」という期待があった |
開催のプロセス | 1ヶ月半程度の準備期間だったが、担当者のサポートで予想よりもスムーズに準備ができた |
得られた効果 | 三越伊勢丹のブランド力を実感したほか、送客や売り上げに留まらず、採用面の副次的効果があった |
ドクターズコスメは、年々消費者からの認知・人気が拡大傾向にある商品です。
販売側の視点としても、OEMでの商品開発が可能という背景も相まって比較的参入しやすく、市場がレッドオーシャンになりつつあると感じています。
こうした美容医療業界のマーケティングでは特に、競合他社との差別化やブランディングが重要です。一方で、ドクターズコスメは、販売する際は薬機法※1や医薬品等適正広告基準等を遵守しなければならないという壁もあります。
法令を遵守した表現で、競合他社との差別化を図りながら商品のよさを伝え、ブランディングをするということが今一番難しいと感じている部分です。
また、基本的に掛け捨ての広告やリスティングはあまり弊社の方針には即さず、どちらかというと「ほかのクリニックさまがやっていないことに挑戦したい」という思いがあります。ほかのクリニックさまがやっていないことへの挑戦で、差別化やブランディングができればと考え、今回のイベント開催に至りました。
※1・・・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
一般的に美容医療業界のクリニックは、患者さまに来院していただくという受け身の姿勢になることが多いです。開催のきっかけは、この受け身の姿勢を、「自分たちが出ていく姿勢に変えられないか」という発想でした。
ちょうどこの企画をしていた当時、SNSで流行していた“ポップアップ”というキーワードもいいヒントになったと感じます。アパレルやコスメなどを販売している企業さまたちが、イベントスペースの一角でポップアップイベントを行っているのを目にして、「こういうことをやりたい」という思いが強くなりました。
イベント開催場所に三越伊勢丹を選んだ決め手は、「せっかくするなら三越伊勢丹で挑戦してみたい」という代表の強い思いです。
当初は外商さん経由での交渉も試みたのですが、三越伊勢丹でのイベント開催はやはりハードルが相当に高く、実現には至りませんでした。
しかし、何とか三越伊勢丹で開催する方法がないかと模索していたところ、見つけたのがイベマチでした。
イベマチなら、自分たちと三越伊勢丹をマッチングしてくれる。
「イベマチなら、自分たちがやりたいことを実現できるのではないか」という期待がありましたし、三越伊勢丹の空きスペースを活用するという、イベマチのスキームへの共感もありました。
開催の承諾をもらってからは、イベント開催までスピーディに進みました。開催までかかった期間は1ヶ月半程度です。
本来、イベントを開催するときは、費用対効果を重視して目標の売り上げ設定などを行うのがセオリーだと思いますが、今回のイベントはあくまで広告費として捉えていたため、回収という観点をまずは考えずに企画をしました。ただ、定量的な指標はやはり欲しいと考え、クリニックに送客するための動線を企画に盛り込みました。ちょうど表参道院が周年のタイミングだったこともあり、このイベント開催と周年がうまく絡み合う形になると面白いのではないかと。
日頃、クリニックにお越しいただく方は明確層に限られますが、百貨店のお客さまはクリニックの見込み顧客であり潜在層でもあります。受け身の姿勢では接点が持てない層なので、この接点を生かせたらと思いました。
企画の実現については、開催日から逆算した工程表をイベマチ営業担当の鈴木さんが用意してくださり、「こちらを記入してください」「いつまでに●●を出してください」という指示をくださるので、提示いただいたことをこなすだけで簡単に準備を進めていくことができました。何をしたらよいのかまったく分からない状態でしたので、とてもありがたかったです。イベマチのプロデュースがなければ、何もかも分からないし、成り立たなかったと心から思っています。
競合他社との差別化やブランディングを高めるためには、やはり空間演出も重要になると思います。そのため今回のイベント開催では、什器や空間演出にとてもこだわりました。
当初はカタログから規定の什器や装飾を選び、できる範囲での開催を検討していたのですが、一方で「それでは中途半端になってしまうのではないか?」という懸念が残ります。「中途半端に開催してしまうと、効果も中途半端に終わってしまう」と考え、以降は方針を切り替えて、コストを惜しまず徹底的に取り組みました。
結果的にこのこだわりが功を奏して、いわゆる“映える(ばえる)”空間づくりにも貢献できたのではないかと思っています。実際にSNSとの連携もとても意識しました。
SNSは拡散効果を高めることが重要なので、フォロワーの多い先生にご協力いただいたり、インフルエンサーの方にお越しいただいたり、オフィスにいるスタッフがネタを工夫して投稿したりと、さまざまな方のご協力を得ながら工夫を凝らしました。イベントのにぎわい感を演出できたのではないかと感じています。
開催準備には苦労もありました。弊社の場合は専任が私一人だったという点が一番苦労した点でした。什器や装飾の選定もありますし、そのほか、印刷物(フライヤー)のチェックなども必要です。
特にフライヤーについては、事前に鈴木さんから「三越伊勢丹の薬機法チェックは基準が高い」と伺っていた通り、専門業者さんの基でチェックしたフライヤーであっても修正が必要になるくらいの基準でした。日常的に使用しているフライヤーをそのまま使えると考えていたのが一転、作り直しになってしまい、想定外の慌ただしさがあったりもしました。
全体を通して、このポップアップイベントをやって本当によかったと感じています。
普段通ってくださる患者さまが、「自分が通っているクリニックが三越伊勢丹でポップアップイベントを行った」ということをとても喜んでくださり、そういうお声をいただいた私たち自身も嬉しく感じています。三越伊勢丹が持っているブランド力をお借りした効果だと思います。
企画していたクリニックへの送客も実現できましたし、「百貨店でポップアップイベントを実施した」という実績が求職者の方にも好反応という、副次的な効果も実感しています。
売り上げ目標は定めていなかったのにも関わらず、昨対で200%を達成し、結果的にはイベントに使ったコストも回収できました。
何より、今回のポップアップイベントは写真やSNSに実績として残ります。この波及効果は今後も続いていくと考えていますし、三越伊勢丹でポップアップイベントを開催したという実績は資産になります。
コスメを販売するだけでなく、ブランディングや採用、業界内での見え方など、目に見えない効果はまだまだこれからも出てくると思っています。
今回のイベントでは、お立ち寄りいただいたエムアイカードの会員さまがたくさん購入される場面も目にしたので、やはり三越伊勢丹のお客さまはハイクラスな方が多いと感じました。
三越伊勢丹のお客さまは弊社の患者さまの層とマッチしていますし、他店舗や地方の店舗などでも今後実現できたらいいなと考えています。
ファンの方とのリアルなコミュニティやつながりは大事にしなければいけないので、私たちがどんどん外に出ていくことでお返しができる場を設けられたらと思っています。
本当は今すぐにでもやりたいくらいです。
BIANCAさまは今回初めての三越伊勢丹でのイベント開催ということもあり、自分が三越伊勢丹との間のクッション材になるという役割を意識して担当させていただきました。
三越伊勢丹はやはり百貨店としての品格を保つため、厳格なルールがあります。空きスペースでイベントを開催するにあたり、お買い場のバイヤーに納得してもらうことが1つ目のハードルになります。
コスメ業界のトレンドを調査し、バイヤー目線・お客さま目線の双方を理解している立場として、今回のイベントを実現し、店舗さまとクライアントさまとお客さまの三方がWINWINの関係になれるように調整をさせていただきました。
2021年7月中旬 | 最初の商談 希望店舗ややりたいことの確認 |
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7月下旬 | 店舗の担当者さまとご挨拶および現場視察 |
8月上旬~9月上旬 |
イベント実施までのスケジュールに沿って
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9月21日(火) | イベント前日設営 |
9月22日(水) | イベント立ち上がり |
10月6日(水) | フィードバック、次回イベントへのご希望ヒアリング |
店舗・スペース | 三越銀座店 地下1階 GINZAステージ(約5㎡) |
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開催時期 | 2021年9月22日(水)~28日(火) |
出店パターン | ショールーミング形式 |
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